Webゼミ

LPOとは?導入メリットやSEO・EFOとの違い、対策のポイントを詳しく紹介

LPO(Landing Page Optimization)の導入メリットやSEO・EFOとの違いを分かりやすく解説します。 ランディングページ最適化の方法や注意点を知って、LPで効果的な成果を上げるためのポイントを学びましょう。

LPO(Landing Page Optimization)とは?

ウェブサイトを訪れる際、最初に目にするページ(ランディングページ)がどれだけ魅力的で分かりやすいかはとても重要です。LPの最適化を目指すことを、一般的に「LPO(Landing Page Optimization)」といいます。本記事ではLPOについて取り扱い、詳しく解説していきます。

LPの改善に役立つヒートマップツールについても、併せてチェックしてくださいね。

  • ヒートマップツール「サイトリード」について詳しくはこちら

LPOの基本概念

LPO(Landing Page Optimization)とは、ウェブサイトのランディングページ(LP)を改善することを指します。ランディングページは、ウェブ広告や検索結果からユーザーが訪れる最初のページのことで、広告の効果を高めるために重要な役割を果たしています。ランディングページには、ユーザーが望むアクション(購入や問い合わせなど)を促すために、魅力的なデザインとレイアウトが求められます。

LPOに取り組むことで、LPに訪れたユーザーが目的のアクションをより容易に実行できるようになり、コンバージョン率(目的のアクションを行った人の割合)を向上させることが可能となります。

LPOの目的

LPOの主な目的は、ランディングページの訪問者の満足度を高め、離脱率(すぐにサイトを去る人の割合)を減らすことです。これを実現するために、ユーザーが求める情報やサービスに手軽にアクセスできるよう、ナビゲーションやデザインが工夫されています。

さらに、読みやすい文章や魅力的なビジュアルで、ユーザーの興味をかきたて、掲載しているコンテンツを完読してもらうことも目標とします。LPOでは、A/Bテストなどを利用し、異なるデザインやコンテンツの効果を比較したうえで、ランディングページの最適な形が何かを探っていきます。

LPOと3人のマーケター

LPOにおける重要なポイント

LPOの基本概念と目的を理解したところで、次にLPOを成功させるために重要なポイントを学んでいきましょう。ここからは、ユーザー体験の向上・コンバージョン率の改善、そして離脱率の低減といった、効果的なLPOを実現するためのポイントを詳しく解説します。

ユーザー体験の向上

ユーザー体験(User Experience、UX)とは、ウェブサイトで感じる利便性や満足度のことです。ユーザー体験を向上させる具体的な方法としては、ページの読み込み速度を上げてストレスを軽減したり、明瞭なコンテンツ構成にして情報を見つけやすくしたりすることなどが挙げられます。

また、レスポンシブデザインを適用してスマートフォンやタブレットでも快適に閲覧できるようにすることや、魅力的なデザインやビジュアル要素を取り入れることも重要です。

コンバージョン率の改善

LPに訪問したユーザーのうち、目的のアクション(購入・問い合わせなど)を行った人の割合を高めることを目指します。コンバージョン率を上げるためには、メッセージ性が強いCTAを分かりやすい位置に設けるといった工夫を通して、コンバージョンに向けた行動をユーザーに取ってもらいやすくすることが有効です。

さらには、ユーザーからの信頼感を高める要素(口コミ・評価・専門家の意見など)を取り入れたり、フォームの入力項目を最小限に抑えたりすることも、コンバージョン率の向上につながります。後述するA/Bテストやマルチバリエイトテストを活用して、どうすればコンバージョン率が高められるかを調べていきます。

離脱率の低減

ウェブサイトをすぐに離れてしまう人の割合を低くすることも、LPOの目的の1つとなっています。ユーザーが求める情報を明確に提示し、疑問点を解消できるコンテンツを掲載して、快適に閲覧できる環境を整えていきましょう。

加えて、動画やスライドショーといったインタラクティブな要素を取り入れ、ユーザーの興味を持続させることも重要です。さらには、内部リンクを適切に設置して、関連する別のページへの動線を作っておくのも効果的といえるでしょう。

ウェブデザインと歯車のアクソメ

LPOとSEO・EFOの違い

ウェブマーケティングの世界でよく見かける言葉のなかに、SEO・EFOといった、LPOとよく似た用語があります。LPO・SEO・EFOの意味の違いを知っておくことは、ウェブサイトの改善を行ううえで、非常に重要です。
SEOとEFOとはどういった意味なのか、それぞれを組み合わせてどのような戦略を立てていけるのか、ヒントを提供していきます。

SEOとは?

SEO(Search Engine Optimization)は、検索エンジンでの自然な検索結果において、ウェブサイトの表示順位を上げることを目的としています。キーワード選定やコンテンツの質の向上、内部・外部リンクの最適化などが主な手法です。

LPOはユーザーのコンバージョンを促すことに重点を置きますが、SEOは検索エンジン上での表示順位を向上させることが目標であるという点が異なります。

EFOとは?

EFO(Entry Form Optimization)は、入力フォームを最適化し、ユーザーが迅速かつ正確に入力を完了できるようにすることを目的としています。途中離脱を防ぎ、サイトでの成約率を向上させる効果的な施策です。

LPOはランディングページ全体の最適化に焦点を当てるのに対し、EFOは入力フォームの最適化に特化したアプローチであるという点が特徴となっています。

検索エンジンとグラフ

SEO・EFOとの連携による施策

LPOとSEO、そしてEFOはそれぞれ異なる目標を持ちますが、互いを組み合わせて活用することで、それぞれの効果をさらに高められる可能性があります。

まず、LPOとSEOを組み合わせることで、質の高いランディングページを検索上位に表示させることができます。ページへの訪問者数の増加と、コンバージョン率の相乗効果により、売上の大幅な向上を期待できるのです。

LPOとEFOの連携についても見ていきましょう。EFOの目的は、申し込みフォームや問い合わせフォームなどの入力をシンプルなものにして、ユーザーが途中で離れないようにすることでした。LPOとEFOを連携させることで、申し込みまでスムーズに行えるエントリーフォームを、より多くのユーザーに触れてもらうことにつながるのです。

総合的なウェブマーケティング戦略を築くためには、LPOを中心としたSEOとEFOの組み合わせが重要です。質の高いサイトを、多くの人に触れてもらうことで、最終的にコンバージョンの数も向上させられます。LPO・SEO・EFOの相互連携を実践し、効果的なウェブマーケティング戦略を立てていきましょう。

LPOを行うメリット

ここまで、LPOとSEO・EFOの違いやそれぞれの手法の連携について解説してきましたが、次にLPOがほかのマーケティング手法と比較してどのような優れたメリットがあるのかを具体的に見ていきましょう。

LPの効果が最大化する

LPOを実践することで、ランディングページのパフォーマンスが向上し、ユーザーの離脱率が減少することや、コンバージョン率の向上が期待できます。これは、ページの内容や構成、デザインなどが最適化されることで、ユーザーが目的に応じたアクションをより簡単に実行でき、ページからの離脱を防ぐ効果があるためです。

付随する利点として、広告費の節約も期待できます。LPOによりコンバージョン率が上がると、広告費が効率的に活用されることになるため、クリック単価が低下し、投資対効果(ROI)の向上につながるのです。

さらに、洗練されたランディングページは、ユーザーの信頼感を高め、ブランドイメージを向上させる効果もあります。ナビゲーションが整理され、統一感のあるデザインのページは、ユーザーに安心感を与えてくれます。

効果測定が手軽に実施できる

効果測定が簡単に行えることも、LPOの魅力のひとつとなっています。A/Bテストという方法を利用し、異なるデザイン・コンテンツのLPを展開し、その効果を比較するなかで、よりコンバージョン率の高いページを探っていくことが可能です。A/Bテストについては、後ほど詳しく解説します。

さらに、LPOではコンバージョン率や離脱率といった数値データを計測ができるため、効果を客観的に比較できるというメリットもあります。このおかげで、継続的な改善が求められるLPOを効率よく実行することができます。

LPOはPDCAサイクルをスムーズに回しやすい特性を持っており、中長期的な試行錯誤を続けていきやすいといえるでしょう。市場や競合の変化に柔軟に対応し、成果をさらに向上させていくために、継続的な改善が重要となります。

モニターに映る折れ線グラフ

LPOにおける具体的な施策

LPOを進めるなかで、具体的にどのような施策を行っていくのでしょうか?ここでは、LPOにおける代表的な施策を4つご紹介します。

サイトデザインの最適化

ユーザーにとって見やすく、CVに向けた行動を取ってもらいやすいサイトデザインにすることが重要です。以下のポイントに気を付けて、LPを改善できるところがないかチェックしてみましょう。

デザインの要素

概要

明快なデザイン

・シンプルで分かりやすいデザインにする
・ユーザーの目的に沿った行動を促す

・余計な情報や装飾を省く
・必要な情報だけを見やすく配置する

カラースキーム

・ブランドカラーや心理効果を考慮する

・3つのカラー(ベースカラー・テーマカラー・アクセントカラー)の配色と配分を考える

コールトゥアクション
(CTA)

・目立つ位置にCTAボタンを配置する
・ユーザーがアクションを取りやすくする

・購入ボタンを目立つ色でデザインする
・問い合わせフォームを画面上部に配置する

レスポンシブデザイン

・さまざまなデバイスから読みやすいデザインにする

・スマートフォンやタブレット端末からの利用も考慮する

コンテンツの充実

LPOで効果を上げるためには、質の高いコンテンツが必要不可欠です。ターゲットユーザーの知りたい情報や、解決したい疑問を的確に捉え、ユーザーに寄り添ったコンテンツ制作を心がけましょう。

LPに記載する文章は、誰にでも理解しやすいものを目指します。短くてシンプルな論理構成としたうえで、専門用語の多用は避け、なるべく簡単な言葉を使って文章を執筆しましょう。

また、図表や動画を活用して、視覚的な魅力を高めることも効果的です。長い文章が続くだけでは読みにくく、離脱率を高めてしまう恐れがあります。グラフや短い動画を適宜挟みながら、情報にメリハリをつけて伝えることが重要になります。

さらに、コンテンツに信頼性が感じられるかも重要です。ユーザーが安心して読み進められるよう、データの引用元を明記したり、監修者として専門家を記載したりすることもおすすめです。

A/Bテスト

A/Bテストは、LPOにおいてよく用いられるテスト方法の1つです。この方法では、同じ目的を持つ2つの異なるバージョンのページを用意し、どちらがより効果的かを比較検証します。

テストのポイントは、ページデザインやコンテンツ、コールトゥアクション(CTA)ボタンの配置など、変更する要素を限定して比較することです。たとえば、ボタンのデザインを比較したい場合は、コンテンツやページレイアウトは同じ条件にそろえ、ボタンデザインだけを変えて効果を検証します。

成果分析では、それぞれのLPにおけるユーザーの行動やコンバージョン率を測定し、効果の高いバージョンはどれかを見極めていきます。これを繰り返すことで、最適なページデザインやコンテンツは何かがつかみやすくなり、ランディングページの効果を大きく高めることが可能になります。

A/Bテスト

多変量テスト(マルチバリエイトテスト)

多変量テスト(マルチバリエイトテスト)は、LPにおける複数の要素を同時に比較検証できる方法です。A/Bテストが主に2つのバージョンのページを比較するのに対し、多変量テストでは、複数の要素を一度に変更し、その効果を検証します。

たとえば、ヘッダー画像・見出しテキスト・コールトゥアクション(CTA)ボタンのデザインをそれぞれ異なるバリエーションで組み合わせてテストを行い、最適な組み合わせを見つけ出すことが可能です。

多変量テストは、特に複数の要素の相互作用が大きく影響する場合や、効果の最適化に複数の要素が関与すると予想される場合に適しています。ただし、評価項目の数や組み合わせが多岐にわたるため、テストにかかる時間と手間が多くなる点には注意が必要です。

LPOの今後の展望

これまでに、LPOにおける具体的な施策を紹介してきました。しかし、ウェブマーケティングの世界は変化が激しいため、LPOの取り組みも進化を続けていく必要があります。今後のLPOの展望やウェブマーケティングの進化、そしてLPOの将来性について考えてみましょう。

進化するウェブマーケティング

ウェブマーケティングの進化が、LPOにも大きく影響しています。たとえば、A/Bテストや多変量テストなどの検証方法を行うにあたって、データ分析の重要性が高まっています。テストから得られた数値データを正確に読み取り、より効果的なLPOを実現するためには、データ分析力がさらに必要になるでしょう。

また、パーソナライゼーション技術が発展することで、各ユーザーに合わせたコンテンツ提供が期待されます。これにより、訪問者の閲覧履歴や興味に基づくコンテンツが表示されるようになり、複数のランディングページを用意することも必要となるでしょう。

「オムニチャネル戦略」も、今後のウェブマーケティングを考えるうえで欠かせないものです。この戦略は、ウェブサイト・SNS・メールなどの複数のデジタルチャネルを組み合わせ、顧客に統一された体験を提供するマーケティング手法です。複数のチャネルからウェブサイトに誘導する際、それぞれ最適化されたランディングページを提供することで、顧客体験が向上し、コンバージョン率が高まる可能性が考えられます。

さらには、AI(人工知能)を使った自動化や最適化がLPOで活用される可能性があり、ウェブマーケティングやLPOの常識を覆すことも考えられます。

デスクトップPCとキーボードと虫眼鏡

LPOの将来性

市場が成熟していくにつれ、企業の競争力を維持・向上させるために、LPOの重要性は高まっていくでしょう。この過程で、LPのデザインやコンテンツにも、より高度な水準が求められていくことが考えられます。

たとえば、スマートフォンやタブレットの利用が増えるなかで、PC以外の多様なデバイスに適応したLPにするための最適化が求められるようになっています。また、VR(Virtual Reality)やAR(Augmented Reality)技術が進化することで、LPに求められる視覚的要素も変わっていく可能性があります。

さらに、グローバル市場で競争力を持つためには、多言語や異文化対応のLPOが重要になります。これにより、世界中のユーザーに適したコンテンツを提供できるようになるでしょう。

LPO対策の注意点

LPO対策を行う際の注意点を、いくつか確認しておきましょう。

ユーザビリティを重視する

LPの「オーバーオプティマイゼーション」を起こさないようにすることが重要です。オーバーオプティマイゼーションとは、過度な最適化によって逆にユーザビリティが損なわれ、ユーザーにとって使いにくいページになってしまうことを指します。デザインやコンテンツを最適化する際に、使いやすさを犠牲にしてしまわないように注意しましょう。

特に、LPの最適化と同時にページのSEOも進めていくにあたっては、キーワード・共起語を過剰に詰め込むといったことは避け、自然な文章とするよう心がけましょう。

長期的な視点での改善

長期的な視点での改善に重点を置くことが大切です。短期的なコンバージョン率向上を追求するあまり、顧客満足度やブランドイメージに悪影響を与える施策を実施しないよう注意する必要があります。過度なプロモーションを避け、短期的な売上増加よりも、顧客満足度や長期的な信頼関係を重視することをおすすめします。

棒グラフと折れ線グラフ

まとめ:LPOで成果を上げるために

本記事のおさらいとして、LPOで成果を上げるために特に気を付けるべきポイントを以下にまとめます。

  • 顧客ニーズや市場動向に柔軟に対応すること
  • PDCAサイクルを活用して、継続的にLPOを進めること
  • ユーザビリティとコンバージョン率向上を両立させること
  • 定量的・定性的指標の双方をモニタリングし、バランスよく分析すること

本記事で説明したポイントを参考に、LPOを成功させていきましょう。コンバージョン率向上や離脱防止に役立つツールについても、併せてチェックしてくださいね。